KLEENTEKのotogawaです。

昨秋、otogawaは、Go-toキャンペーンを利用して滋賀県に一泊旅行に行きました。そのとき訪れた琵琶湖博物館は、「湖と人間」というテーマを持って自然と人についてのフィールドワークを行っている博物館なのですが、寄付をされた滋賀県の企業の名前がエントランスに掲示してある中に、クリーンテックのお客様である「近江鍛工様」の名前がひときわ大きく書かれてあるのをみつけて、嬉しくなってしまいました。

 

 近江鍛工様は、永年、静電浄油機をご使用くださっているお客様で(2012年にもこのブログで取り上げさせていただきました)、リング鍛造では世界のトップシェアを誇る滋賀県の企業です。新幹線の車輪の70%は近江鍛工様が作られたものだそうです。

 

 近江鍛工様については、瀬田の本社工場、信楽工場、長崎工場の3工場すべてで、大型の鍛造プレス機とリングミルに使う大量の油圧作動油を、静電浄油機を使って清浄管理し、その効果を実感してくださっているといつも耳にしています。近年の不況やコロナ禍の中で、どのように歩まれているのか知りたいと思い、このたび、取材させていただくことになりました。


 
 今回、取材を受けてくださったのは、前回と同じ興津営業部長です。当時は工場長をされていましたが、この3年間は営業部長として国内外でご活躍されているとのことです。お伺いしたテーマは、エネルギー問題、環境問題について、人を育てることについてです。

 

Q. まず、2010年から毎年HP上で公開されている「環境報告書」からお伺いします。

騒音・振動、LNG使用削減、電力消費の削減、油圧油の使用量など、多くの項目について、目標値を定めていらっしゃいますが、グラフを見ると、目標達成を続けるというのは簡単ではなさそうですね?


A. 目標値は、ISO14000をベースに毎年、定めています。こういうデータは、開始してすぐは、わかりやすく成果が出ますが、ある程度進むと変化が少なくなるものなので、そこからいかにしてモチベーションを維持するかを考える必要が出てきます。この数値だけではなく、他にも経過観察する指標を持つ必要があります。

Q. 毎年、実施されている「油の教育」とは、どういうものですか?


A. 正確には油だけではなく「油圧装置についての教育」です。製造現場では、決して油を消費しているつもりはなくても油圧装置に油漏れはつきものなので、結果的に消費してしまいます。装置の故障を未然に防ぎ、油消費を削減するには、保守・点検についての人の教育が欠かせませんが、社員たちはしっかり身に着けていってくれていると実感しています。

 

Q. 2014~2018年度にかけて、国内3工場の電灯をLED化したり信楽工場にソーラー発電の新棟を建設されたり、エネルギーの課題について積極的に投資されていますね?

 

A. はい。使用する電気やガスの量が膨大なので、改善していくには、①やりかたを変える②設備を刷新する、という具体的な行動が必須です。国の補助金も多いに利用し、高効率の加熱炉を導入するなど他にも様々な設備投資を行っています。

 

 


Q. 工場の電灯をすべてLEDにするのは容易ではなかったと思いますが、ご苦労はありましたでしょうか?

 

A. LEDが開発された当時は、最大サイズが700kwでしたが、弊社の工場の水銀灯は1000kwだったため、1000kwのLEDが開発されるまで待つ必要がありました。また、LEDは光線が直線的で広がらず、また取付位置が高さ20mの天井であったため、いざ点灯したときには、工場内が予想以上に暗いままで、「早く点けろ?」「え、もう点けてますが?」という状態で・・・。急きょ、壁の側面に電球を増設し、想定していた数の2倍、必要になってしまいました。ただ、水銀灯と違いLEDは消灯してもすぐにまた点けることができるため、昼休みのあいだは消灯する、などの省エネも可能になるなど、導入後のメリットは大きかったです。

 

Q. 若い世代についてどんなことを感じられていますか?


A.「壊れた機械を自分で直す」というような場面が、昔に比べて減っているせいなのか、簡単な修理すら経験が無い、よく知らないという社員も多いです。

Q. それについて、会社として何か取り組みをされていますか?


A.「製造部」とは別に「生産技術部」を設置し、「作る」ことについて自分の頭を使って考える機会を増やすようにしています。それをきっかけとして、ゼロからモノを生み出す楽しさ、面白さを知り、深く興味を持つ社員が増えることを目指しています。


Q. 日本の企業の中には、社員に挑戦や失敗をさせることを嫌う会社も多いようですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか?

 

A.当時の会長・坂口昇氏は、やって失敗することよりも、挑戦しようとしないことのほうを厳しく叱る方でした。かつて私たちが、直径5mの鉄のリングを作る事業に取り組んだ際は、じつに半年以上かかったのですが、そのときに没になった試作品の総量は100トン以上でした。その間、社長は一言も私たちを叱ることがありませんでした。失敗は決してマイナスではありません。ただ同時に、上司は部下をよく見て、やめたほうがよいと判断したときは止めることももちろん必要ですが(笑)

 

Q. 社長が30年以上、社員の毎月の給与明細に直筆の手紙を入れていらっしゃると、以前、御社に関する記事で読んだのですが、それは今も続いているのでしょうか?

 

A. はい、続いています。

 

◆まとめ

クリーンテックの静電浄油機は、じっくり時間をかけて、でも確実に油を清浄にし、油圧装置のトラブルを未然に防ぐことができる装置です。そのため、静電浄油機を使ってくださるお客様は、物事を短期的でなく長期的に、そして総合的に考えることのできる方であると常々感じているのですが、興津様もそういう方であると感じました。また、お忙しいにも関わらず、このような小さな質問にも応じてくださり、楽しい体験談を聞かせてくださったことからも、近江鍛工という会社が人とのつながりを大切にされているということを実感しました。

IT技術が進み、世界中の会社や人が連携する手段も増えて、便利になったことがたくさんありますが、大切なのは、それによって生み出される時間や資金の余裕を「何に使うか?」だと思います。決して最新技術を駆使することが目的なのではなく、それを使って「人が何をするか?」近江鍛工様は、そのどちらの大切さも理解されている会社だと感じました。